末原拓馬さんの紡ぎ出す、美しくて、儚くて切なく、仄かに悲しくて、最後に必ず一筋の柔らかな明るさを宿した言葉と物語がとても愛しくて好きだ。
「巨大ナメクジは大海原を目指す」という短編の物語は、水溜まりで満足していたナメクジが、池を知り、湖を知り、一等大きな海があることを知り、海を見たくて見たくて、長い年月をかけて海を目指すうちに、小さかったナメクジが巨大なナメクジに姿が変わり、海にたどり着くまでの物語。...