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​公演情報

STAGE   INFO

前売開始 2017年12月25日(月)22:00〜

        全席自由

      前売り    3,500 円

​             当日       4,000円

2018年 125(木)28(日)

ワーサルシアター

(東京都杉並区上高井戸1-8-4 Toyaビル.3B1F)

             TIME  TABLE

1 月     25日(木)                                              19 : 30 

1 月     26日(金)        14 : 00 ・19 : 30 

1 月     27日(土)                                           14 : 00 ・19 : 30 

1 月     28日(日)                                                           13 : 00 ・18 : 00   

アンカー 1

   INTRODUCTION(末原拓馬よりごあいさつ)

 

 僕が演劇と出会ったのは19歳の時です。数ヶ月後には自身で主宰する劇団の活動を始めました。学内の施設での公演や都内の小劇場を中心に活動する時間が続きましたが、この頃から同時進行でやり続けていたのが、ひとり芝居です。様々なイベントなどに呼ばれては芝居を披露し、特に、路上において上演した回数は数百回に渡ります。舞台美術も照明もない場所で、どうにかお客さんから小銭をもらおうと努力するうちに、独特のメイキャップがトレードマークになり、身体表現と詩的な言葉、そして観客の想像力によってどんな物語でも描くやり口が自分の武器になりました。けれどこれは、数千年にわたって続いてきた演劇という文化としては極めてオーソドックスなスタイルとも言えるように思っています。

 近年では様々な現場で脚本、演出、俳優として活動されてもらっていますが、僕の核である部分は独り芝居というか「物語り」というところにあると思っています。これは、小さい頃に母が僕にいろいろな物語や作り話をしてくれたことの影響です。目の前にいる人に話を聞かせてコミュニケーションをとることこそが僕の原点であり、後々、それを拡大するために、演劇的な手法を学んだりしました。そういう意味で、僕は俳優と呼ばれていいのかは今でも少しわからないところがあって、正確には、「語り部」なのだなあ、と思っています。

 今回、お贈りする「カスタネット」を初めて上演したのは2015年7月7日の夜です。僕の誕生日は7月8日なんですが、30歳の誕生日を迎える時に、とあるインターネットチャンネル上でバースデイ番組を開催してくれることになり、その中で朗読の形で発表しました。その後、2016年僕は一年間にわたって月に一回自らの独り芝居公演「ひとりじゃできねぇもん」というものを主催していたのですが、その2月の際に1日だけ上演しました。

 

 カスタネットは、絵本の中のような世界観を持っていると考えていますが、子供向けかというとそれでもありません。もちろん、子供も楽しんでいただけると思っているけれど、ふだん僕がおぼんろでやっているよりも心が苦しくなるような物語だと思います。自分でも「あー、すごいものが書けてしまった」という感覚が明確にありました。これから先、この作品が僕以外のいろいろな俳優たちに上演され、また文学、絵本としても長く人類の財産として残って言ってくれれば、と考えています。

アンカー 2

(​イラスト:尚月地)

   STORY

​ これは昔々の物語。もしくは遠い未来、はたまた現在かはわからないけれど、東か西か北か南かもわからず、遠いか近いかもわからないあるところに、「花だけを創る国」がありました。その国があるとき、「武器だけを創る国」と戦争をすることになりました。しかし、王様は困ってしまいました。王様の国には、武器がないからです。

 そこに、処刑される寸前の、ドブロクという名前の悪党がやってきて言いました。

​「花瓶に、人々の悪い言葉を吹き込ませましょう。悪い言葉のたくさん詰まった花瓶が割れれば、あたりにいた人間がみんな不幸になると聞いたことがあります。それを武器に、敵国を滅ぼしましょう。

 作戦が成功すれば処刑を免れるという条件で、民たちに66の花瓶を配り、呪詛の言葉を吹き込ませることになったドブロクだが、しかしある夜、彼が最後の花瓶を配ろうと訪れた家にいたのは、ひとりの哀れな少女、カスタネットだった。

                            涙を忘れた悪党と

                          笑顔を思い出したい少女の

                        

                        哀しく切なく、そして美しい物語。

アンカー 3
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